ガラスの巨匠 エミール・ガレ

エミールガレは19世紀末、フランスのナンシーを拠点に類希な創造力を発揮してガラス、陶器、家具という幅広い分野で新しい可能性を切り開いたフランス芸術界を代表する作家である。
1846年五月四日、フランス北東部ロレーヌ地方ナンシーで、ガラス工芸家のシャルル・ガレの息子として生まれる。ガレ作品の様々な自然のモティーフは装飾として様式化せず、ありのままの姿を活かして表現されている。
それはみずみずしい生命をたたえ、あるいは、そのはかなさが強調され、まるで自然の姿そのままが器に出現したような表現スタイルを確立している。
又、人間のテクノロジーが自然を征服しようとする19世紀末において自然に対する深い理解と愛情によって、節度をわきまえぬ自然破壊の危険性に警鐘を鳴らし続けた希有な人物でもある。
ガレの芸術はジャポニズムや、象徴主義、そして自然科学の発展など時代の趣勢と深く関わりながら、神秘と幻想に彩られ、独自の表現世界を展開し、従来の工芸の枠を超えた哲学的啓示をガラスを素材に人々に伝え、現在もその作品は多くの人たちに愛され続けている。

ガレ工房の変遷

第一期工房期
1874年からナンシー・ガレンヌ通りの工房にてエミール・ガレ自ら指揮、芸術的指導をして制作していた時期をいう。ここはその後工房が拡張しても常に制作の中心となっていた。

第二期工房期
1904年のガレの死去によってアンリエット・ガレ夫人が事業を指揮し、制作していた時期をいう。夫人が事業を引き継いだのは1904年~1914年。

第三期工房
娘婿ポール・ペルドリゼによって1936年まで工房が経営され制作されていた時期をいう。1936年「エミール・ガレ商会」閉鎖。溶解炉停止。ここでエミール・ガレにより創められたガレ工房の製作は終了した。

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